photoimmunotherapy 光免疫療法のブログ

胃がん末期の父に免疫療法を薦めました。当時の技術は未熟。間に合いませんでした。抗ガン剤治療の効かなくなった末期ガンの人の希望となるように最新のがん治療情報を提供します。

肺がんに光免疫療法を適応. 最新報告マウスレベル

肺がんモデルにおける
近赤外光免疫療法(光免疫療法、NIR-PIT)の
効果を検証した
2017年に出たばかりの論文です。

Mol Cancer Ther. 2017 (2):408-414.
doi: 10.1158/1535-7163.MCT-16-0663.
Near Infrared Photoimmunotherapy in a Transgenic Mouse Model of Spontaneous Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR)-expressing Lung Cancer.



光免疫療法は
抗体の特異性と
近赤外線光を利用した新しい癌治療法
です。





光免疫療法のほとんどの研究では
ガン細胞を移植したモデルで行われています。
そこで
この研究では、
ヒトEGFR(hEGFR-TL)を
発現する自発性肺癌モデルを利用しました。


方法
このマウスを以下の3つの群に分けました。

(1)無処置(対照)
(2)パニツムマブに結合した150μgの光吸収剤、EGFR 抗体 - 光吸収体結合体を静脈内注射のみ。
(3)150μgの抗体 - 光吸収体結合体を静注し、近赤外線を照射する。


各治療は毎週3週間まで行った。

最初のNIR-PITの1日前、および
3日,6日,13日,20日,27日、
および34日後にMRIを行った。


肺腫瘍の相対的容積を、
MRI時点での腫瘍容積を初期容積で割って計算しました。



結果として

腫瘍体積比は、
対照群と比較して光免疫療法群(3)で
有意に抑制された(すべての時点でP <0.01)。


結論として
光免疫療法は、
自発性肺癌モデルでも効果的に治療することができた。

また
MRI
光免疫療法の治療効果を
モニターするのに適していた。

これまで
移植したガンを光免疫療法で治療した研究がほとんどです。
今回の研究では
自然に
ガンを発生するモデルを使っており、
このマウスでも
光免疫療法の効果が立証されました。

ヒトの場合、
すべて
自然にがんが発生、発症するため、
今回のモデルの効果は
ヒトにも光免疫療法が
有望だという証拠になります。

早く
日本で光免疫療法の
治験が始まりますように。

そして
多くのがん患者さんが
救われますように。